2021年9月21日
キンモクセイ 遠くまで香るのは何故
フラワーコンシェルジュはな菜です。
キンモクセイはこんなに遠くまで香るのはなぜでしょうか。
植物が花を咲かせるのは次の世代に命を紡ぐために種を作るため。
種を作るためには受粉が必要で、多くの植物は風や虫の力を使って受粉します。
風を主に利用するものはそこにいるだけでいいのですが、
虫の力を必要とする植物は 虫に来てもらわなくてはいけません。 そこでそれぞれの植物は虫の好きな香りや蜜を使い,来てもらう工夫をしています。
キンモクセイの場合はどうでしょうか。
キンモクセイの花は咲いている期間が5~7日ととても短いです。
そして1つ1つの花が小さいので 花粉を運んでもらう虫は選ばなくてはいけません。
短い期間にちょうどいいサイズの虫に来てもらうために
ほかの虫があまり好まず、来てほしいアブにだけが喜ぶよう
遠くまで届くような強い香りを放っています。
こうやって短期間に効率よく花粉を運んでもらう工夫をしています。
キンモクセイにとっての誤算は
人間にとって香りがとても好ましかったこと。
雌雄別の樹木であるために香りの良い雄の樹のみが好まれ、
種を育てる肝心なメスの樹がなおざりにされてしまったこと。
日本には雌樹はなく、一生懸命花粉を運んでもらっても種はできないのです。
(中国でもあまり好んで雌樹はうえないようですね)
この香りは甘く、桃やベリー類にも含まれ、
人がとても好む香りです。
香り成分にはリラックスや鎮静効果があり、心の緊張を解きほぐし、不安やイライラを落ち着かせる効果があります。
ほかにも 食欲増進を抑える効果のある成分も含まれているそうです。
キンモクセイの花の下で深呼吸するだけで
リラックスし、心が満たされるうえ、むやみに食べようと思わなくなる、と
素晴らしい効果がありそうです。
ただ、秋は食べ物もおいしい季節。
「食欲の秋」をどれくらい抑えられるかは皆さん次第かも、ですね。